片付かない理由と改善のコツを学ぼう!

家は、家族が安らぎ、楽しみ、生きるためのエネルギーを蓄える大切な場所です。ところが、現実はモノが多く雑然としていたり、いつも探し物をしてイライラするなど、片付かないことでストレスになっているお家をたくさん拝見してきました。片付かない理由を明確にし、片付けやすい仕組みをつくるポイントをお伝えしたいと思います。ぜひ、マイホームに取り入れて快適な暮らしを実現しください。

写真:大熊 千賀(おおくま ちか)先生

大熊 千賀(おおくま ちか)先生

暮らしStyle代表。住宅収納スペシャリスト、整理収納アドバイザー、ルームスタイリスト・プロとして活動。また認定講師として育成にも力を入れている。クリナップショールームにて収納リフォームセミナー、他講師を務め、受講者は12年で15,000人超。3児の母でもあり、「笑顔のある暮らし」を目指し、ライフスタイルに合わせた整理・収納法を提唱している。

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片付かない理由を探ろう

片付かない理由は主に2つ。モノが多い、時間がない、置きっぱなしにしてしまうなど、『人の意識改革で解決する問題』と、暮らしに合わせた『収納場所と収納スペースの有り方の問題』です。

片付けやすい家にするためには、この両方が備わっていることが大切。片付けやすくするために、まずは「整理・収納」を意識しましょう。

ところで、「整理」「収納」「片付け」、似た言葉ですが、違いをご存知でしょうか? 一つ一つ意味を明確にしてみます。

整理 不要なモノを取り除き、必要なモノを分類すること
収納 必要なモノを使いやすくするために、指定席を決めること
片付け 使ったモノを指定席(収納場所)に戻すこと

「片付かない」から「片付けやすい」にするには、整理をした後に、適切な指定席(収納場所)をつくることが重要です。この指定席がないと、「スペースが空いているからとりあえず入れる」「置く場所がないからとりあえず置く」ということが起きてしまい、本来の片付けができなくなってしまうのです。

片付かない理由と改善のコツを学ぼう!

図のように、「土台作りとして整理する」「整理が終わったら収納する」、この二つで片付けやすい仕組みをつくり、日々の習慣として片付けをしていきます。

片付けやすい仕組みをつくる適材適所の収納5つのポイント

「収納=必要なモノを使いやすく指定席を決める」ということをご紹介しました。この鉄則をもとに、収納の5つのポイントをご紹介します。

●ライフスタイルに合わせたモノの適正量を決めましょう

1_tekiseiryou 必要なモノの量は人によって違います。基準は「私(家族)」です。他人と比べることではなく、「私はタオルを何枚使うのか?」「私はハンカチが何枚必要なのか?」など、自分の生活に必要なモノの量を意識しすることで、むやみやたらにモノが増えていくことを防ぎます。

●使いやすい動線・取り出しやすい動作を意識して収納場所を決めましょう

片付かない理由と改善のコツを学ぼう! 毎日の行動に対してスムーズに動けるように置く場所を考えます。さらにそのモノが使いやすいように、高さを意識して場所を決めます。例えばキッチンであれば、コンロで使う調理器具はコンロに近い場所にしまうのが鉄則。でも、使い初めにお水を入れるケトル(やかん)などは、シンク下にあると動線が短くなります。使う時の動作をイメージして、収納場所を考えましょう。

●使用頻度に合わせて収納場所を決めましょう

片付かない理由と改善のコツを学ぼう! 使用頻度の高いモノから使いやすい位置(壁面の高さに対して中→下→上の順)に収納しましょう。例えば、毎日使うマグカップは「中」の位置、週に数回使うモノなら「下」、滅多に使わない来客用のモノは「上」に収納します。

●グルーピングして収納します

片付かない理由と改善のコツを学ぼう! 一つの仕事をするときに一緒に使うモノをまとめて収納します。アイロンセットが分かりやすい事例です。アイロン、アイロン台、霧吹き、あて布、アイロンをかける服、を一緒に収納しておくとすぐに仕事に取り掛かれます。

●定位置管理をしましょう

片付かない理由と改善のコツを学ぼう! 鉄則に添って位置を決め、それを維持していく方法として、家族みんながモノの場所が分かるようにラベルにモノの名前を書いて貼ります。「使ったら戻す」を家族で徹底すると探しモノが劇的に減ります。モノの指定席を決めて管理をしていくことで「使ったら戻す」という片付けやすい仕組みができるというわけです。

改善のコツとは?

片付く仕組みをより有効にするために、モノに合わせた収納をつくることが重要です。 置くモノが決まると、その場所に欲しい収納のサイズが分かります!

片付かない理由の一つとして『収納場所と収納スペースの有り方の問題』があるとお伝えしました。「どこで何をするのか?」を考えて収納場所を決め、「使うモノは何か」をリストアップし、そのモノのサイズや量を確認して収納スペースを考えます。スペースは立体的に収納の仕方を考えると使いやすく、きれいに片付きます。 具体的には次回お伝えしましょう!

ライフスタイルはずっと同じではありません。

・おもちゃがたくさんある、子どもが小さな時期

・勉強道具や洋服が増える、子どもが中高生へ成長する時期

・子どもが巣立ち、休日に孫が遊びに来る準備をする夫婦の暮らし

など、ライフステージはどんどん変わっていきます。その時のライフスステージとライフタイルに合わせて、モノを整理し、収納していきましょう。 本来の家の姿である、家族が安らぎ、楽しみ、生きるためのエネルギーを蓄える大切な場所として、家がパワースポットになると素敵ですね。

キッチンリフォームNOTE

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