ステンレス?人工大理石? キッチンワークトップ選びの基礎知識

キッチンワークトップ(キッチンカウンター、天板、作業台)はキッチンワークの質を左右する重要なパーツ。見た目だけでなく、10年、15年と長期使用することを考え、汚れにくさや傷付きにくさなどもふまえて検討したいものです。今回は、ワークトップの素材選びに関して、ステンレスや人工大理石の特徴などをご紹介します。

はじめに~キッチンの構造を知りましょう~

ステンレス?それとも人工大理石?……と素材について悩む前に、キッチンリフォームで最初に考えるべきはキッチンの構造についてです。キッチンの構造は2つの種類に大別でき、ひとつは昔ながらの“流し台”とも呼ばれる「セクショナルキッチン」、もうひとつは「システムキッチン」と呼ばれます。まずは両者の違いを見ていきましょう。

ステンレスキッチン

セクショナルキッチンは「リフォーム時」にメリットが
セクショナルキッチンはその名の通り、シンクやコンロ台、調理台、収納キャビネットなどの設備がそれぞれ独立しているタイプです。

システムキッチンの魅力は「見た目」と「使いやすさ」

システムキッチンは、シンクキャビネット、コンロキャビネット、収納キャビネットといったフロアユニットを並べて配置し、それらをシンク付のワークトップ(天板・カウンター・作業台)と一体化させたキッチンです。セクショナルキッチンは完成した設備を導入する場所に持ち込みますが、システムキッチンはその場で組み立てて完成させます。

それぞれのフロアユニット間に継ぎ目がなく、調理スペース、作業スペース、シンクの高さも同じで使いやすいのが最大のメリット。隙間から水や汚れが侵入する恐れもなく、「きれい」を維持しやすいのも料理好きの方にとってはうれしいポイントです。加熱調理機器や食器洗い乾燥機、内蔵型の浄水器などをビルトインできるのも、セクショナルキッチンにはない特長。“継ぎはぎ感”がなく、デザインが洗練されているのもシステムキッチンの魅力です。こうした点から、近年ではシステムキッチンを選ぶ家庭が増えてきています。

ワークトップに求められる6つの基本性能とは?

ステンレスワークトップ

短時間でたくさんの作業を効率的にこなさなければならないキッチンワークにおいて、その質を左右する重要な存在といえるのがワークトップです。ではそもそも、システムキッチンのワークトップにはどのような機能が求められるのでしょうか? こちらでは、6つの項目からワークトップの素材を選ぶ際に考慮したいポイントを見ていきます。

耐熱性

調理に欠かせない「火」を使うコンロ台を備えたワークトップは、熱に強い素材でなければなりません。火が放つ熱のせいで変形が生じたり、燃えてしまったりしては危険です。沸騰したお湯をこぼしても、使ったばかりの鍋などが触れても事故が起こりにくい、耐熱性の高い素材を選ぶ必要があります。

耐汚性

ワークトップは、家族の口に入る食材を扱う場所。「生肉や生魚を調理した際は雑菌が気になる」という方は多いと思いますが、食中毒などを避ける意味でも、衛生面に配慮されているかどうかは考えておきたいところです。水気が多く、熱がこもりやすいキッチン周りは雑菌の温床。汚れにくい素材を検討しましょう。

メンテナンス性

衛生性が求められる水まわりは、常に掃除との戦い。「料理は好きだけど、掃除は嫌い」という方にとっては、メンテナンス性が高い(掃除がしやすい)キッチンが強い味方になります。油汚れが付着しにくい素材、拭いたりこすったりするだけで簡単にきれいにできる素材なら、お手入れの負担が減って料理がもっと楽しくなるでしょう。

耐久性

基本性能の中でもとくに素材の影響を受けるのが耐久性です。10年、15年、20年と長く使い続けるには、できるだけサビたり劣化したりしにくい素材を選ぶ必要があります。また、劣化などによって有害な化学物質が発生しないことも重要です。

耐衝撃性

キッチン作業をしていると、皿や鍋、缶詰などの重いものや硬いものをワークトップに落としてしまうことがあります。そうしたトラブルによって破損が起こってしまうと、見た目が悪いだけでなく、ケガの原因になったりカビ・サビなどを招いたりするおそれがあります。重いものや硬いものを落としても問題のない強度が、ワークトップには必要です。

インテリア性

キッチンを毎日使う主婦の方や奥さまにとっては、機能性だけでなく、家事へのモチベーションを高めるデザイン性やインテリア性も重要でしょう。おしゃれなワークトップなら「料理をがんばろう!」と思うかもしれませんし、「きれいにしておきたい!」と掃除への意欲が高まる可能性もあります。要所にデザイン的な遊び心を取り入れるのもいいですね。

ワークトップ素材に見る特徴の違い

ステディアのワークトップの種類

せっかく新しいシステムキッチンにするなら、先にご紹介した「6つの基本性能」を備えたワークトップ素材を選びたいですよね。しかし、選べるワークトップ素材はさまざまで、「どの素材がいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。以下では、代表的なワークトップ素材の特徴と、そのメリット・デメリットについて解説します。特にどの基本性能を重視するかを考えておくことで、理想の素材を選びやすくなるでしょう。

素材1:天然石

独特の重厚感を備えた天然石は、デザイン性の高さから選ばれる方が多い素材です。画一的ではないオリジナルな世界観が実現でき、リビングから見えるタイプのキッチンで多く用いられる傾向があります。その一方で、酢やワインによって変色する恐れがある、多孔質の天然石はメンテナンスが難しい、サイズの制限がある、といったデメリットも無視できません。御影石や大理石は、人気の高い天然石の代表例です。

素材1:人工(人造)大理石

人工大理石ワークトップの種類

天然石のような質感を持ちながら、天然石よりもメンテナンス性・耐久性に優れているのが人工(人造)大理石です。天然石よりリーズナブルで、カラー・デザインの豊富さから住まいに合わせて選びやすいのが魅力。「大理石」という名前ではありますが、実際は樹脂(ポリエステル系もしくはアクリル系)でできています。アクリル系はポリエステル系に比べて熱に強く、変色しにくい素材です。

素材3:人工水晶石

人工水晶石(クォーツエンジニアドストーン)は天然石の中でもとくに硬くて吸水しにくい水晶をベースに、樹脂などを混ぜて加工した素材です。「包丁よりも硬い」とされる人工水晶石は傷・衝撃・摩耗に強く、かつ水や汚れが侵入しにくいのが大きな特徴。天然石の質感を感じられる見た目と機能性を両立したワークトップ素材として近年注目を集めていますが、選択の自由度が低いこと、重いこと、高価なことなどがデメリットといえます。

素材4:タイル

粘土を焼いてつくったタイルは、耐熱性や耐久性、耐汚性に優れた素材。陶磁器、プラスチック、大理石といったようにタイルの材質は多様で、大きさや色味、デザインを変えることで、個性的なキッチンが手に入ります。タイルの場合は壁に統一感を持たせることも可能。ただし、施工に時間と手間がかかること、タイルをつなぐ目地の部分が汚れやすくメンテナンス性が低いことなどがデメリットです。

素材5:ウッド(木)

家具のような独特の風合いと存在感があるウッド。木のワークトップには水に弱い、傷付きやすい、耐久性が高くない、メンテナンスしにくいといったデメリットがありますが、そうしたデメリットを「個性」と捉えられる方にはおすすめできる素材です。ダーク系のシックなインテリアにはウォールナット材、ナチュラル系の明るいお部屋にはオーク材など、樹木の種類によってキッチンの表情が大きく変わります。

素材6:メラミン

心材となる合板に、熱を加えながらメラミン化粧板(メラミンシート)を接着していく方法でつくられます。1枚のメラミンシートを用いるので継ぎ目がなく、耐水性・防汚性の高さが特徴です。色柄も豊富でインテリア性も高く、比較的リーズナブルなことから選ばれる方も多い素材ですが、熱に弱いのが最大の弱点。加えて、水回り(水周り)に近い箇所では経年によってはがれてしまう可能性もあります。

素材7:ステンレス

ステンレスワークトップの種類

ステンレスは、「汚れ」を意味する「Stain(ステイン)」と、「ない」を意味する「Less(レス)」が組み合わさってできた言葉です。鉄にクロムなどを混合してできた合金であるステンレスは、その名の通りサビが発生しにくく、ワークトップ素材として抜群の安定感を誇ります。レストランなどの業務用キッチンでもステンレスが多く採用され、水まわりに適した素材だといえるでしょう。ただし、ステンレスキッチンはモダンなインテリアにもマッチすることからスタイリッシュな印象を演出できますが、「無機質」「味気ない」といった印象もあるため、好き嫌いがわかれる素材といえるかもしれません。

素材8:セラミック

セラミックワークトップ

ほぼ無孔質なセラミックワークトップは、毎日ご家庭で発生する汚れや化学品に対し高い抵抗性を誇ります。例えばワイン、コーヒーなどの頑固な汚れに対しても簡単に拭き取ることが出来て、清潔感を保てます。引っ掻きキズに対し強靭な強さを発揮するのも魅力のひとつ。家庭用台所用品や鋭利な刃物でも引っ掻きキズがつき難く、長期にわたりお使いいただけます。※台所用品の刃先が破損する可能性もありますので、当社は、調理の際はまな板の使用を推奨しています。

また、その表面意匠や物理性能を損なう事無く高温に耐え得る高いパフォーマンスを発揮し、変色や変質の心配がほんどありません。※日常のご使用では必ず鍋敷き(厚さ1cm以上)などをお使いください。

迷う場合や家族で意見が別れる場合は「ステンレス」を!

ステンレスワークトップ

どの素材がいいか迷っている場合や家族の間で意見が別れている場合は、総合的に欠点が少なく、長期的に安心して使えるステンレスキッチンがおすすめです。耐水性、耐熱性、耐久性、メンテナンス性の面で非常に優れており、比較的安価でキッチンに求められる基本性能をクリアできる「優等生」ともいえる存在。「プロはステンレスキッチン」という“格言”があるかどうかはわかりませんが、業務用のキッチンや厨房機器のほとんどにステンレスが採用されています。

ステンレスの弱点は、細かい傷が付きやすいところ。近年ではそうした傷を目立たなくするために、特殊な加工やコーティングを施したものなどが登場してきています。技術の進化によって傷や汚れなどが目立ちにくくなり、より少ない負担で「きれい」を長持ちさせられるようになりました。そうした満足度の高さから、ステンレスキッチンの良さが今、あらためて注目されています。

エンボス加工

圧力を加えて素材の表面に凹凸を付け、立体感を演出する加工方法です。接触面が減るため傷が付きにくく、また目立ちにくくなります。

ヘアライン加工

ある一方向に向かって髪の毛ほどの細かい傷を付ける表面処理方法です。つや消しの効果が生まれ、高級感を演出できます。

特殊コーティング

セラミック系の特殊コーティングを施せば、ステンレスたわしで擦っても細かい傷が付きにくく、頑固な汚れも簡単に拭き取れます。

なぜステンレスは「サビ」や「劣化」に強いの?

ステンレスにはクロムという硬い金属が混ぜられており、クロムが空気中の酸素と結合すると表面に「不動態被膜」と呼ばれる非常に薄いバリアが形成されます。不動態被膜には自己修復機能が備わっているため、表面が傷付いても瞬時に再生されます。この機能のおかげで、「サビにくい」「耐久性が高い」という特徴が発揮されるのです。

「後悔のないキッチンリフォーム」を実現しましょう

天然石、人工(人造)大理石、人工水晶石、ウッド(木)、タイル、メラミン、セラミック、そしてステンレス。これらのワークトップ素材は特徴もさまざまで、メリットもあればデメリットもあります。キッチンカウンターの素材を選ぶ際に重要なのは、機能性・デザイン性の両面から判断をすること。そして、長期的に使用するという点をふまえて判断することです。そのうえで、「とくに何を優先するのか」を明確にしておくようにしましょう。

代表的なキッチンメーカーはショールームを持っているので、気になった設備のカラー、性能、加工感、ビルトイン機能などを自分の目と手で実際に確認してみてください。実際に高さや奥行きなどを計って使い勝手を把握したり、ショールームにいるアドバイザーに相談したりすることで、インターネットやカタログだけでは得られなかった有益な情報を集めることができます。ショールームをうまく活用すれば、「後悔のないキッチンリフォーム」が実現できるはず。いくつかのシステムキッチンを比較しながら、あなたの住まいにとっての理想のキッチンを探しましょう。

クリナップショールーム

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