独立型キッチンはおすすめ?オープン型との比較&おしゃれな実例も
ひとつの部屋のように、他の空間と明確に区切られている独立型キッチンは、日本では昔から主流の形です。
最近では、リビング・ダイニングとのつながりがあるオープンな対面キッチンが人気ですが、独立型キッチンには、個室ならではの魅力や、使い勝手の良さがあります。
今回は、独立型キッチンのメリット・デメリットや、お客様のリフォーム実例などについてご紹介します。
独立型キッチンとは
独立型キッチンとは、まわりが壁やドアで覆われている、個室タイプのキッチンのこと。別名「クローズドキッチン」とも呼ばれ、リビングやダイニングなどの他の部屋とは、完全に仕切られている間取りです。
開放的な対面キッチンが一般的になってきたため、「独立型キッチン=昔ながらの古いキッチン」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、独立型キッチンには、料理に集中できたり、自分の部屋のように愛着のある空間に仕上げることができたりと、他のタイプのキッチンにはない良さがあります。
「流行っているから対面キッチンがいいかな?」となんとなく思っている方や、ご自宅の間取りの都合で「オープンなキッチンにするのは難しい・・・」なんていう方にも、ぜひ注目していただきたいレイアウトです。
独立型キッチンのメリットについては、後ほど詳しく解説します。
その他、キッチンレイアウトには「オープン型」「セミオープン型」がある
キッチンレイアウトには、さまざまな種類があります。分類のひとつとして、今回の題材である「独立型」に加え、「オープン型」と「セミオープン型」の3つに分ける方法がありますので、触れておきましょう。
①オープン型
作業台に立ち上がりのないフラット対面キッチンや、前後左右のすべてが壁から離れているアイランドキッチンなどのことを指す、オープン型。遮るものがないため、抜群の開放感があります。
リビング・ダイニング側とのつながりを重視し、ご家族とコミュニケーションをとりながら料理をしたいご家庭にぴったりのレイアウトです。
しかしながら、キッチンの様子や手元が丸見えになってしまうのが難点。料理中は視線を避けたい方、整理整頓が得意でない方には、あまりおすすめできません。
また、油はねや水はねにも注意が必要です。
②セミオープン型
壁で仕切られていながらも、一部から目の前を見渡すことができるのが、セミオープン型です。コンロ前に壁があったり、腰壁が設置されているキッチンのことを指します。
開放感を保ちながら、必要な部分は隠してくれる、バランスの良いレイアウトです。
コンロ前の壁や、高めの腰壁には、油・水はね対策としての効果もあります。
ただし、オープン型に比べると、壁がある分、他の空間との一体感は若干劣ります。
独立型キッチンのメリット
オープン型、セミオープン型の特徴を簡単にご説明しましたが、いよいよ本題です。独立型キッチンには、一体どんなメリットがあるのでしょうか? 主な魅力を3つご紹介します。
メリット1.調理作業に集中できる!
個室になっている独立型キッチンなら、誰の視線も気にせず、調理作業に集中できます。
逆に、キッチン側からも、他の部屋や家族の様子が見えない分、気にせず作業することができるとも言えます。
また、急な来客時に、バタバタしている様子を見せずに対応できるのも、独立型キッチンだからこそ。
メリット2.収納スペースが確保しやすい
壁やドアに四方を覆われている独立型キッチンは、吊戸棚や食器棚はもちろんのこと、飾り棚や家電を置くスペースなども作りやすいため、収納場所に困りません。
持っているモノが多い方、ストック品やレトルト食品などを大量に買い込んでしまう方、便利なキッチングッズを集めてしまいがちな方も、独立型キッチンなら、十分に受け止めてくれるでしょう。
メリット3.油はねやニオイが、他の部屋に広がりにくい
空間が抜ける部分が少ない独立型キッチンは、ニオイが家中に広がりにくく、キッチンまわりに留まってくれるレイアウトです。揚げ物や焼き物の際に発生してしまう煙も同じ。
また、油はねについても、他の部屋へ飛び散ることがありません。
独立型キッチンのデメリット
独立型キッチンの良い点を挙げましたが、同時に、知っておくべき懸念点もあります。考えられる3つのデメリットを見ていきましょう。
デメリット1.作業中に孤立感を感じやすい
ひとりでキッチンにこもることに不安のない方は良いのですが、個室内での料理や後片付けには、閉塞感や孤独感を覚える方もいらっしゃいます。
寂しさにストレスを感じてしまいそうな方は、その点を十分に理解しておきましょう。
また、キッチンからは家族の様子を確認できないため、小さなお子さんやペットなど、目を配りたいご家族がいる場合は、オープン型やセミオープン型の方が合っている可能性があります。
デメリット2.ニオイや煙がこもる
メリット3で触れた、「油はねやニオイが、他の部屋に広がりにくい」という点。特にニオイについて、他の部屋に充満しないということは、キッチンにこもってしまうということでもあるのです。
油が多く濃い味付けのメニューの時、調理中とそのあとは、しばらく気になる場合もあります。
料理後は、サッとひと拭きだけでもお手入れを心がけたり、レンジフードの常時換気機能を使ったりすると良いでしょう。
デメリット3.配膳や片付けがしにくい場合も
独立型キッチンを取り入れた間取りでは、ダイニングスペースが離れた場所にあることも多く、配膳や片付け時の動線に、少々不便を感じる場合もあります。
行き来する回数を、可能な限り少なくできるように、料理をまとめて運べる大きめのトレーを用意したり、お箸やフォークなどのカトラリーはダイニングに置いておいたりして、工夫しましょう。
独立型キッチンのおしゃれな間取り実例3選
ここからは、実際のリフォーム事例を3つご覧いただきます。どの事例も、独立型キッチンの良さを存分に活かした、おしゃれな空間になっていますので、ぜひイメージづくりの参考にしてみてください。
実例1.お気に入りが彩る、自分の「作品」
ブルーに近い落ち着いた色味の扉「ペリドットグリーン」が美しい、埼玉県にお住まいのお客様事例。
娘さんにも褒めらたという扉カラーの他にも、大好きなワイングラスを飾るグラスホルダーや、観葉植物など、お気に入りが詰まっています。お客様ご本人も、まるで"自分の作品"のように感じているとのこと。
料理をする場所としてだけではなく、好きなモノに囲まれた、気分の上がる空間に仕上がっています。
- キッチンシリーズ:CENTRO(セントロ)
- 扉カラー:ペリドットグリーン
- ワークトップ:ステンレス
- 家族構成:ご主人、奥さま
実例2.扉デザインを統一したコーディネート
白を基調に、レンジフードや収納部も同じ扉デザインで揃えたプラン。
個室タイプである独立型キッチンも、コーディネートする色によって、明るい雰囲気になりますね。
収納スペースをたくさん確保できる独立型キッチンでは、デザインやカラーを合わせることで、より統一感のある空間に仕上がります。
- キッチンシリーズ:クリンレディ ※現在はSTEDIA(ステディア)にモデルチェンジしています
- 扉カラー:ボーテウッドホワイト ※現在はラインナップしておりません
- ワークトップ:人工大理石アクリストン(ホワイト)
- 家族構成:ご主人、奥さま
実例3.気分が高まる!真っ白で明るいキッチン空間
壁、ワークトップ、キッチン扉、収納など、あらゆる場所に白が採用されたキッチンは、食材の色が引き立ち、料理をする気分が高まるそう。
全く同じ色味ではなく、微妙なニュアンスの違いによって、明るさ+シックな印象も与えるコーディネートです。
この事例のように、窓がある間取りなら、閉塞感を感じることなく、キッチンに立つことができますね。
- キッチンシリーズ:STEDIA(ステディア)
- 扉カラー:ブロンカッセ
- ワークトップ:人工大理石アクリストン(シュクルホワイト)
- 家族構成:ご主人、奥さま
後悔しない!独立型キッチンはこんな人におすすめ
ご紹介してきた通り、独立型キッチンは、料理スタイルや暮らし方によっては、非常に快適で居心地の良い空間が叶います。独立型キッチンを特におすすめしたい人は、こんな方々です。
誰にも邪魔されずに料理を楽しみたい人
色々なメニューに挑戦したい方や、丁寧に時間をかけて料理を作りたい方には、独立型キッチンは一押しです。
他の部屋から独立しているので、家族それぞれが別の空間で時間を過ごすようなご家庭なら、邪魔が入る心配も少なく、料理に向き合うことができますよ。
丁寧にお出汁をとってみたり、お肉がトロトロになるまでビーフシチューを煮込んでみたり、スパイスからカレーを作ってみたり・・・。そんなキッチン中心の暮らしを楽しめます。
集中するあまり、時間を忘れて1日中キッチンにいるなんてこともあるかも?
キッチンを自分の城にしたい人
以前は、「女性の城」と呼ばれることもあったキッチンですが、性別や年齢を問わず、自分だけの「城」に仕上げることができるのも、独立型キッチンの魅力。
おしゃれで便利な家電、美しいキッチンツール、カラフルな食器などに囲まれながら過ごす、居心地の良い空間。
お気に入りのマグカップでコーヒーを淹れて一休みするも良し、料理をしながらお酒を嗜むも良し。きっと贅沢なキッチンタイムを過ごすことができるでしょう。
まとめ
独立型キッチンは、コミュニケーション性や開放感が損なわれてしまう側面がありながらも、じっくりと自分の時間や料理と向き合うことができ、他のキッチンとは違う長所があります。
後悔しないリフォームのためには、どんなタイプのキッチンが自分の性格や暮らしに合っているのかを、しっかりと見極めることが大切です。
もし悩んだら、お近くのショールームで実物を確認してみてください。理想のキッチン像が、きっと具体的になるはずです。